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hort story
- あくび
- 俺が電車の中であくびをした。
それを見ていた32歳の女がつられてあくびをした。
俺と目が合って気まずかったのか、あくびの途中で顔を横に向けた。
そこを丁度通りかかった5歳くらいの女の子が、それを見て歩きながらあくびをし始めた。
「おいおい、まてよ」
俺のあくびをどこに運んで行くんだ。
その女の子であくびの連鎖を止めようと、俺はその子を追いかけた。
先頭の方に歩いて行きながら次々と乗客にあくびが繋がって行く。
とうとう先頭車両まで辿り着き、あくびをしていないのは運転手だけになってしまった。
どうしてもここで食い止めなければ。
俺は彼にみんなのあくびを見せないために、ガラス窓にへばりついた。
ふと前を向くとそこには何ともほがらかな田舎の風景が広がっていた。
運転手と俺がほぼ同時にあくびしたのは言うまでもない。
- written by kim -
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