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hort story
- 見慣れぬ駅
- いつもの時間に部屋を出て、いつもの時間に駅に着き、いつもの電車の同じ席に座って、いつものように少し眠って、いつもの駅でいつものように慌てて電車を降りると、そこは見慣れない駅だった。
すぐに電車に戻ろうと振り返っても、ぎりぎり間に合わない。仕方なく車掌もいない駅舎を出ると、そこには道もタクシーも、ビルも、まったく無い。
なんだかやたら明るい日差しに照らされた草原があるだけだ。
それと猫だ。たまに迷い込んでくる人間には慣れてるんだろう、うんざりした顔で、一応こちらにニャーと鳴く。
夢か・・・
そう気付くのに時間はかからなかった。
夢なら楽しんだほうがいい、そう思って草原をゆっくり走り出した。
高校まで陸上部だった事を久しぶりに思い出した。
走り出した男を見届け、猫はまたほくほく眠り出した。
- written by kim -
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