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hort story

一晩中
それは不確かな銃声が聞こえた夜に始まり、

怒り狂う獣の匂いが立ちこめる朝に届く

静かに近づいている時間に身震いし、

朝焼けと共に思い出を閉じ込める

興奮した四肢をさすり、

友人を元気ずける

重たい凶器を持ち上げ、

これが布団だったらなと呟く

汚れた服も

汚れた靴も

汚れた椅子も

汚れた木々も

ねじれた関係も

全部

燃やせるものなのに、と考える

一晩中考える

- written by kim -

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