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hort story

習性
蜂として働き始めて三ヶ月が経った。
天然物のハチミツを毎日食べれると聞いて最初は喜んで働いていたが、三日で飽きてしまった。
なにしろ上手く食べないと服がベタベタになってしまう。それに加え、回りの蜂達には俺が人間だと気付かれないようにしなければならない。
シマシマな服の中でもう我慢の限界だ。
そんな時、突如女王蜂が俺の前に現れた。周りの蜂達より一回り大きく、羽根もギラギラと輝いていた。
彼女を見たのはこれが初めての事だ。
彼女は俺が人間だという事を見抜いているはずだ。それでも彼女は今日の夜の相手に俺を選んだ。
永遠に続く蜂の相手に彼女は疲れ切っていたのだ。俺は深緑の悲しげな眼差しに負け、それを了解した。

今日は長い夜になりそうだ。たった今出来上がったハチミツを飲み干し、俺は螺旋階段を昇り始めた。

- written by kim -

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